規制改革実施計画に当機構の提言が反映され、いわゆる不実証広告規制の見直しが閣議決定されました。

2026年3月、一般社団法人グローバル政策研究機構は、内閣府規制改革推進室に対し、消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害する広告・表示表現を抑制するための2つの具体策を提言しました(https://www.grpinstitute.org/ja/node/34)。

第一の提言は、最近の消費者庁による行政処分例のうち6割弱を占める「不実証広告規制」(広告・表示の効果・性能について客観的な根拠資料を一定期限内に提出できない場合、不当表示とみなして行政処分を下す制度)によるものについては、消費者庁の公表資料ではその処分の判断根拠が明記されていないため、広告・表示の事前審査に用いるAIツールの精度向上の観点から、その判断根拠を公表すべきというものです。

これについては、2026年7月21日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、「不実証広告規制の運用に係る事業者・一般消費者等の意見・要望等を幅広く聴取した上で(中略)措置命令時において、事業者の提出した資料が合理的根拠資料に該当しないと認定した理由を具体的に説明するとともに、その理由を事業者の営業秘密に配慮しつつ公表すること」の検討を本年度に開始し、来年度に結論を得て速やかに措置することが決定されました[1]。

当機構の提言が十二分に反映されたものと受け止めています。本決定の内容が確実に実行されるよう引き続き消費者庁の検討状況を注視してまいります。

 

第二の提言は、増え続ける景表法被疑事案に行政処分が追いつかない状況に対し、官による不当表示への対応力不足を補うため、国が認定した広告・表示に関する業界自主ルールである「公正競争規約」を運用する公正取引協議会等のうち、一定の要件を満たす団体については、適格消費者団体と同様に、公正競争規約のアウトサイダーによる不当表示について差止請求権を付与すべきというものです。

これについては、2026年6月19日付で取りまとめられた消費者庁の回答によれば、「公正競争規約に参加していない事業者(いわゆるアウトサイダー)が、景品表示法で定める不当表示等を行っていた場合は、同法違反として消費者庁によって措置が採られることとなります。消費者庁としては、引き続き、いわゆるアウトサイダーの景品表示法違反行為があれば、厳正に対処してまいります。」と「対応不可」でした[2]。

残念ながら、この消費者庁の回答は当機構の提言の内容の是非について全く言及していない上、消費者庁の行政処分が追いつかない状況への対案にも関わらず、「違反行為があれば、厳正に対処」などという完全にすれ違った回答であり、到底納得できるものではありません。本提言の実現に向けて、今後とも制度的な課題や運用上の論点を整理しつつ、関係各所との議論を深めてまいります。

 

[1] 内閣府『規制改革実施計画(令和8年7月21日閣議決定)』,164-165. 

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/260721/01_program.pdf

[2] 内閣府『「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」で受け付けた提案及び所管省庁からの回答について 資料2  検討要請に対する所管省庁からの回答 ◯規制改革 令和7年度 回答』,115. 

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/hotline/siryou2/k_siryou2_r7.pdf